普通の人の分散投資に金投資は必要なし。
これが私の結論です。
なぜ必要ないのか、簡単にまとめます。
インフレに強い金
「インフレに強い金」、「有事の金」などと言われ株式投資をしていると「金投資もしたほうがいいのかな?」なんて思うこともあるかもしれません。
しかしながら、金の長期的なリターンを見てみると…
このグラフを見ても金がインフレに強いと言えるのかどうか。
そもそも資本主義は、給料が上がりながら程よくインフレしていくことが好ましい状態です。
そのためインフレに慌てる必要などなく、資本主義はインフレすることが当たり前であるという認識を持つこと。
金がインフレに強いというなら、長期的に見た期待リターンがインフレ率を、上回っていないと意味がありません。
また、インフレ時には現金の価値が下がる話ばかりが先行しますが、給料も同時に上がっていれば購買力は変わらないため生活への影響はないはずです。
2022年代のインフレはコスト・プッシュ・インフレのため、単純に購買力が低下してしまいます。
そのため、また金投資に注目が集まっています。
しかしながら、注目が集まるということは金の需要と価格が高まることを意味するので、今投資したところで、リターンはほとんど見込めない状況です。
庶民が金投資をしてインフレに対応できる?
「インフレに強い金」を謳うからには、長期的にはインフレに対応できる収益を上げてもらう必要が出てきます。
しかしながら、普通の人が金に投資できるお金はたかが知れており、いくら金に投資したところで、収益はインフレ率を下回ることでしょう。
また、金投資は手数料が高いため、実質的な期待リターンはさらに低くなります。
一般的には「ポートフォリオの10〜15%を金にすると良い」と言われていますが、これはあくまで機関投資家が提唱する割合
普通の人にとって、リバランスを考慮した毎年の金投資への入金額や取崩しを考えながら投資を続けるのは困難性が増します。
普通の人が金に投資をしてインフレに備えることは疑問が残ります。
リスクの推計はどうする?
私が金投資において1番のデメリットに感じているのは、リスクの推計。
インデックス投資だけで資産運用をするのであれば、リスクの推計は指標となる数値が多いため容易です。
しかしながら、金を含めた運用資産のリスクの推計は複雑化します。
株式と金との相関をどう見積もるのか。
普通の人がそこまで考えてポートフォリオを組み運用資産全体のリスクの推計をしながら投資を続けていことは困難を極めます。
結果的には手間をかけたわりに「株式+現金」だけのポートフォリオの期待リターンを上回るかどうかも不明です。
まとめ
普通の人が金に投資するということは…
- 金の保有目的が不明瞭
- リバランスの手間がかかる
- 金の期待リターン、株式などとの相関係数、リスクの推計など個人で管理する困難性
これらの理由から普通の人が金に投資するメリットは特にありません。
「投資が趣味」でもない限りは、金への投資が余計なことになりかねない認識だけは持っておく必要があります。
分散投資をする前に