前回の記事はこちら
配当金はどこからくる?
前回の記事では配当金が所得と呼ぶにはモヤモヤっとするものがあることがわかりました。
では、その配当金を再投資する場合をバランスシートで見てみます。
バランスシートでみる配当金再投資
まず理論上の配当金は「配当落ち」により株式の評価額を下げます。
ここで大きな問題が!
配当金には税金がかかります。
そのため、配当金をすぐに再投資しても税金分だけ資産が減ってしまいます😭ナゼ…
※ここでは配当控除や外国税額控除はしないものとします。
現実の配当金再投資は?
図のようにすぐに配当金再投資ができれば株式の評価額は税金分しか変わりません。
しかし!
現実には受け取った配当金だけでは、再投資ができないパターンが!
日本の個別株は基本的には100株を単元(株式を購入できる単位)としているため、100株購入分のお金が必要になります。
最近ではネオモバイル証券、ライン証券などで、1株単位で購入できる証券会社も出てきました。
それでも配当投資の初期のうちは配当金額が小さすぎて再投資することができないこともあります。
つまり、資産形成期にもかかわらずリスクを取らずに資産の現金比率を高めることになってしまいます。
リターンの源泉はリスク
リターンの源泉はリスクです。
ということは、リスクを受け入れることでそのリスクに見合ったリターンが期待できることになります。
先ほどの配当金再投資ができないパターンでは、リスクを取らない期間が頻繁に出てくることになります。
つまり!
株式資産のリスクが小さくなるために、期待できるリターンが小さくなるということです。
それを繰り返せば当然のことながら投資効率は落ちます。
このような点からも高配当株投資はマーケットタイミングを図っての売買を繰り返していかないと、期待するようなリターンが得られにくくなってしまうことがあります。
リスクを数字で把握することが難しい
資産形成期においてはリスク許容度に応じたリスクを受け入れ続けることで、そのリスクに見合ったリターンの最大化が期待できます。
ということは、配当金は再投資することが大前提となるものの税金分だけ投資効率が落ちることに…。
また、配当金を受け取ることにより現金比率が一時的に高まります。
すると、現金と株式の比率が一定になりづらくなることで、資産全体のリスクを数字で把握することが難しくなります。
ETF(上場投資信託)であれば直近のリスクが数字で公表されているので、ある程度のリスクの推計ができます。
しかし、個別株で高配当株投資をする場合は10〜20銘柄ほどに分散することが一般的であるため、リスクの推計が困難を極めます。
リスク許容度は精神面ではなく、数字でコントロールすることが大事です。
まとめ
高配当株投資はマーケットタイミングを図ったりするようなアクティブな投資をしていくことが必要になってくるのかなと…。
マーケットタイミングを図らない投資をするのであれば、インデックス投資をするだけで十分です。
バランスシートで見てみると、高配当株投資は思った以上にハードモードな気がしてきました🤔
次回は、バランスシートで見る配当金再投資をせずに好きに使った場合