株式投資を始めると「不労所得」の響きに憧れ、配当金が羨ましくなったりすることも…。
はてさて、この配当金は一体どこから出てくるのか?
実はバランスシートで見てみれば、よくわかるものでした。
バランスシートで見る配当金
配当金は天からの贈り物ではありません。
配当金を出した株式は、配当金の金額だけ株価が下がります。
例えばですが、1株1,100円の評価額のある株式があったとします。
そして、100円の配当金を出したとします。
すると、その株式の評価額は1,000円に下がります。
これが配当落ちと呼ばれるものです。
※あくまで理論上の話なので、実際には1,000円より上がることもあるし、下がることもあります。
実際の株価で確認してみる
では、実際に2022年12月のキヤノンの株価推移を見てみます。
権利付き最終日の株価 ➡ 2,929円
権利落ち日 ➡ 2,862円
差額 ➡ 2,929 – 2,862 = 67円
期末配当金額 ➡ 60円
この株価の推移からも見て取れるように、おおむね配当金分の株価の下落が見て取れます。
(このチャートではきれいに配当金分だけ下落していました。実際には上がることもあります。)
この配当落ちがあるがために高配当株などの株のチャートは穏やかな動きをすると言われています。
しかしながら、高配当株であっても市場リスクを避けることはできないため、普通に暴落します。
この配当落ちは優待株にも同じことが言えます。
配当金や株主優待をもらっている人だけが、何か特別なお得をしているわけではありません。
高配当株や優待株は、株式のリスクを源泉としたリターンを配当金や株主優待で受けているとも言えます。
まとめ
このバランスシートを見ると、資産形成期の配当金や株主優待は、資産形成期に資産を取り崩しているだけです。
配当金の場合は再投資することが出来ますが、株主優待の場合は使うほかありません。
そのため、「株主優待でお得に節約♪」は家計のバランスシートで資産の推移を見てみると、何の節約にもなっていない可能性すらあります。
むしろ支出が減っていなければ無駄遣いになっていることも…。
TwitterやInstagramでは高配当情報や株主優待情報があふれていますが、本当に自分の資産形成に必要かどうか今一度考えてみることがポイント。
インフルエンサーが発信する目の前のお得感だけに目を奪われたことで、一生に一度の長期投資において後悔をする…。
なんてことがないように、自分の投資目的をしっかり持つことが大事です。
高配当株の出口戦略